第一三共 -8.7% 急落 — 本決算延期と「不穏な兆候」の積み重ね、買い時の判断

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今日の株価状況

項目
前日終値(4/23) 2,790 円
寄り付き後 2,546.5 円前後
下落率 -8.73%
当初の本決算日 4 月 27 日(月)
変更後の本決算日 5 月 11 日(月) — 約 2 週間延期
中期経営計画発表 4 月下旬 → 5 月 19 日 に既に延期済み

背景: 「不穏な兆候」が積み重なっている

実は今日の延期は単発ではなく、ここ数ヶ月で警戒信号が重なっている状況。

国内大手製薬会社である第一三共に影が差している。2026 年 3 月期の売上収益は 2 兆円の大台に乗る見通しだが、製薬会社の生命線とも言える研究開発(R&D)トップが突然退任したり、26 年度からの 5 カ年の新中期経営計画の発表が急遽延期になったり、ここに来て不可解な出来事が相次ぐ。主力のがん治療薬に使っている「ADC」という技術が海外勢の猛追を受けていることもあり、不穏さが漂う。 — FACTA ONLINE

時系列で見る不穏な動き

時期 できごと
2025 年 10 月 通期純利益を 3,000 億 → 2,880 億円に下方修正(一転減益)
2025 年 Q4 頃 R&D(研究開発)トップが突然退任
2026 年 4 月 5 カ年中期経営計画の発表を急遽延期(→ 5/19)
2026 年 4 月 15 日 第一三共ヘルスケア(市販薬)をサントリー HD に 12 億ドル で売却
2026 年 4 月 24 日(本日) 本決算も 4/27 → 5/11 へ延期発表

決算延期の可能性のある理由(推測)

公式な理由は開示されていないため、推測ベース。

1. ヘルスケア売却の会計処理が複雑

4/15 発表のヘルスケア売却(約 1,800 億円規模)の会計処理を本決算に反映させるため、より精密な検討が必要になった可能性。事業譲渡損益、のれん、税務処理などが絡む。

2. 追加の減損・一過性費用の計上を検討

ダトロウェイの肺がん領域の戦略修正で適応症を狭くしたため、2025 年度のがん領域売上を「1 兆円以上」から「9,000 億円」に引き下げ。こうしたパイプライン関連の 減損評価の見直し に時間がかかっている可能性。

3. 関税・トランプ政権の医薬品政策の影響織り込み

医薬品セクターへの関税議論(トランプ再選後の市場動向)が浮上しており、業績予想への織り込み方を慎重に検討している可能性。

4. 監査法人との協議

特殊な会計事象があるときは監査法人との調整に時間がかかる。

5. 中期経営計画との整合性調整

5/19 の中計発表と 5/11 の決算発表の内容を整合させるための調整。

市場が最も警戒する可能性(最悪シナリオ)

  • 内部統制の問題
  • 会計上の不祥事の疑い
  • 更なる大幅下方修正
  • 重大なパイプライン失敗

ただし、現時点でこれらを示す具体的情報はない。

なぜ -10% もの急落?

決算延期そのものより、「一連の不穏な動きの積み重ね」が投資家心理を悪化 させた:

  • R&D トップ退任 ← 不可解
  • 中計延期 ← 不可解
  • ヘルスケア売却 ← 急な判断
  • 本決算も延期 ← 「何か隠している」疑念

加えて

  • 信用買い残が積み上がっていた可能性(投げ売り)
  • ADC 競合の台頭(中国勢、米国勢)への懸念
  • 医薬品関税リスク
  • 年初来高値 3,625 円(1/13)から既に -30% の下落トレンド中

現在買うべきか?

私は投資アドバイザーではないので判断はできないが、両面から整理する。

買い派の論拠

  • PER 約 18 倍、PBR 約 3 倍で業界平均より割安
  • 2021 年頃の約 700 億円から利益が 3,000 億円を超える水準に達し、足元の業績は「絶好調」
  • エンハーツは世界的な成功 ADCで、2026 年には 6,000〜7,000 億円規模の売上見込み
  • 高値約 6,257 円(2024 年)から半値以下に下げ過ぎ
  • ヘルスケア売却益が一時的に利益を押し上げる可能性
  • 配当利回り改善

待ち派・慎重派の論拠

  • 決算延期の真の理由が不明(これが最大のリスク)
  • 5/11 まで情報不足の状態が続く
  • テクニカル的に下落トレンド継続、サポートが見えない
  • ADC 競合激化、パイプライン 2 番手以降が正念場
  • R&D トップ退任の真相不明
  • 「落ちるナイフ」を掴む状態

現実的なアプローチ

5/11 の決算発表前に全力で買うのはハイリスク。理由:

  • 延期の理由が好材料ならそもそも延期する必要がない
  • 決算内容次第でさらに -10〜-20% の可能性も残る
  • 逆に「単なる事務的理由」と判明すれば急反発もあり得る

中間的な選択肢

  • 投資枠の 1/3 〜 1/2 だけ今日拾い、5/11 の決算後に判断
  • ドルコスト平均法で段階的に買い下がる(集中 vs 分散の考え方
  • 決算発表後まで様子見(+10% 取り逃す可能性あり)
  • 空売り ヘッジ併用

過去の教訓

修正後の純利益は事前の市場予想平均を下回った。午後 1 時の決算発表後に第一三共株は売られ、終値は前日比 5% 安。 — Nikkei(2025 年 10 月の前回決算)

この会社は 決算で驚きを与える傾向 がある。事前予想を下回った前回決算からの反省が市場には残っている。

ざっくり結論

  • 延期の明確な理由が公表されるまで、全力買いは避けるのが無難
  • ただし長期(5 年以上)視点で見れば、エンハーツという唯一無二の資産 を持つ会社が PER 18 倍まで売られているのは歴史的にはチャンスに見える
  • 5/11 の決算と 5/19 の中計が最大の分水嶺
  • 段階的に買い下がる戦略が最もリスク調整後リターンが高そう。一発勝負ではなく、重要日程までに様子を見ながら買い玉を分散

最終判断は読者ご自身の責任で。本記事は投資助言ではなく、運営者個人のリサーチ記録。

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