東京エレクトロン 8035 — 2026 年 3 月期通期決算予測(4/30 引け後発表)
東京エレクトロン(8035)が 2026 年 4 月 30 日(水)引け後に 2026 年 3 月期通期決算を発表します。生成 AI 向け半導体製造装置の伸長を背景に Q3 で通期予想を上方修正済みですが、コンセンサスは前期比減益を予想。注目は来期(2027 年 3 月期)の会社ガイダンスと中国向け売上の動向です。本記事では決算前の論点を整理します。
1. 決算スケジュール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日時 | 2026 年 4 月 30 日(水)引け後 |
| 対象期 | 2026 年 3 月期 通期 |
| コンセンサス売上高 | 2 兆 4,258 億円(前期比 -0.2%) |
| コンセンサス営業利益 | 6,012 億円(前期比 -13.8%) |
| コンセンサス経常利益 | 6,087 億円(前期比 -14.0%) |
| コンセンサス当期利益 | 5,505 億円(前期比 +1.2%) |
| 会社予想(直近) | Q3 発表時に上方修正済(生成 AI 向け装置の伸長) |
| 直近株価 | 45,150 円(4/28 終値、前日比 -4.14%) |
数値出典: 株予報 Pro(IFIS コンセンサス、2026/04/28 時点)。
2. 直近のビジネス状況
Q3 累計(2025 年 4-12 月)の実績は 売上高 1 兆 7,317 億円(前年同期比 -2.5%)、営業利益 4,192 億円(同 -18.3%) と減収減益でしたが、生成 AI 用半導体向け設備投資が伸長したため通期予想を上方修正しています。
直近の追い風
- 生成 AI / HBM 関連の前工程装置需要(エッチング、成膜、コータ・デベロッパ)
- 先端ロジック(2nm/3nm)への顧客投資継続
- HBM 向けアドバンスト・パッケージング装置需要
- 円安継続による円建て売上・営業利益の押し上げ
直近の逆風
- 中国向け前工程装置への米国・日本の輸出規制強化
- メモリ DRAM 価格の調整局面、中国メモリメーカーの投資ペース不透明感
- 中国の自国製造装置内製化の進展
3. 市場コンセンサスと先行指標
アナリストコンセンサスは通期営業利益 -13.8% の減益予想(IFIS)。Q3 後の上方修正を織り込みつつあり、コンセンサス到達は基本シナリオとして見られています。
先行指標として確認しておきたいポイント
- 海外半導体製造装置メーカーの直近四半期決算 / ガイダンス
- HBM ベンダー(メモリ大手)の設備投資計画
- 半導体製造装置の BB レシオ(受注 / 出荷比)の方向感
- 主要ファウンドリの設備投資コメント
これら先行指標が総じてどの方向に振れているかを、決算発表前に各社 IR / 業界レポートで確認しておくことを推奨します。
4. 上振れ要因(ポジティブシナリオ)
- 生成 AI / HBM 投資のさらなる拡大: 顧客の HBM 世代移行で TSV / ハイブリッドボンディング装置需要が増。バックログ厚みでの上振れ余地
- 来期(2027/3 期)会社予想の上方提示: 生成 AI と先端ロジックの両輪で売上 +10% 以上のガイダンスが示せれば材料視
- 中国向けの規制例外的発注: 一部の汎用品で予想外の駆け込み発注
- 自社株買い・増配の発表: 株主還元強化のサプライズ
- 円安進行による収益かさ上げ: 期末収益にプラス
これらが揃えば、決算翌日の株価には買い反応が想定されます。
5. 下振れ要因(ネガティブシナリオ)
マクロリスク:
- 米中半導体覇権競争のエスカレーション
- メモリ価格反落による顧客投資縮小
- 円高方向への巻き戻しリスク(米利下げ観測強化等)
個別リスク:
- 通期予想未達の可能性(既に Q3 で減収減益、Q4 で巻き返せるか)
- 中国向け売上比率の急減
- 来期ガイダンスの保守化(「不透明」「慎重」表現)
下振れ時は売り反応が想定され、特に来期ガイダンスがコンセンサスを大きく下回る場合は売り圧力が強まりやすい構図です。
6. 注目すべきガイダンス・KPI
最大の注目は 2027 年 3 月期会社予想(来期ガイダンス) で、株価インパクトはこちらの方が大きい可能性があります。
注目すべきポイント:
- 来期売上・利益見通し: コンセンサスの来期予想と乖離するか
- セグメント別売上比率: 中国 / 韓国 / 台湾 / 米国の構成、特に中国比率の変化
- 受注残(バックログ): 厚みと先行性
- 設備投資・R&D 計画: 先端ノード対応投資の継続性
- 株主還元方針: 自社株買い・増配の有無
- 説明会想定 Q&A: 中国規制の影響、HBM 装置の競争力、TSMC 米国投資の波及
7. 株価アクションの確認ポイント
決算前後で確認しておきたい指標(具体値はデータプロバイダーで個別確認推奨):
- 過去 4〜8 四半期の決算後値動きパターン(kabutan / Yahoo ファイナンス等で過去株価チャートと決算履歴を突合)
- 直近の信用買残と空売り比率(日証協 / 各証券会社)
- オプション市場の IV(インプライド・ボラティリティ) — 個別株 IV は取得困難な場合あり
- アナリスト目標株価レンジ(各社レーティングの分散具合)
8. 投資家が取れる戦略(シナリオ別)
私は投資アドバイザーではありません。以下は決算前の論点整理として、自分なら 3 派でどう動くかを併記したもので、投資判断は読者ご自身の責任で。
決算プレイ派
- 来期ガイダンスでサプライズを狙うなら少額で参入も一手
- ポジションサイズは普段の 1/3 以下に絞る
- 翌日の寄り付きで利確 / 損切りラインを事前に決めておく
- 想定値幅を超える期待値があるか冷静に評価
様子見派
- 決算後の ギャップ後の値動き を 2-3 営業日見て参加
- ガイダンスが上振れしても初動で買われ過ぎることが多いので、押し目を待つ
- バリュエーション水準(PER / PBR)を再確認してから動く
- 半導体セクターのコンセンサス修正動向と合わせて判断
既保有者の利確 / ヘッジ派
- 既に大きな含み益があれば、決算前に一部利確でリスクオフ
- 全部抜くより 部分利確 + 残りはホールド が心理的にも持続可能
- プロテクティブ・プット等のヘッジは個人投資家には現実的でないので、部分利確が王道
- 来期ガイダンス次第で買い直しの余地を残す
9. ざっくり結論
- コンセンサスのハードルは中程度(前期比 -13.8% 営業益、Q3 までの累計から逆算するとやや保守的)
- 最大の論点は来期ガイダンス — 通期決算の数字より、2027/3 期見通しが株価を動かす可能性大
- ポジションサイズは普段の 1/3 以下で。決算プレイは特にハイリスク
- 結局は決算を見てから動くのが王道。来期ガイダンス + 受注の方向感を確認してから判断
最終判断は読者ご自身の責任で。本記事は決算前の予測であり、結果を保証するものではない。投資助言ではなく、運営者個人のリサーチ記録。決算プレイは特にハイリスクなため、ポジションサイズは慎重に。