バークシャー 13F 2026年1〜3月期 — アマゾン全売却・アルファベット3倍超・デルタ航空新規出資 5/15 開示まとめ
バークシャー・ハサウェイが 2026 年 1〜3 月期にアマゾン株を全売却、アルファベット株を 3 倍超に積み増し ── 5 月 15 日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した 13F で判明した。バフェット氏退任後、グレッグ・アベル新 CEO 体制で初めて中身が開示された四半期である。
正直に言うと、最初に見出しを見たとき「アマゾンを全部?」と二度見した。バフェット時代に苦労してようやく組み入れた銘柄を、後継体制の初手で丸ごと手放したインパクトは小さくない。事実を整理する。
何が起きたか
バークシャー・ハサウェイ(BRK.B) が 5/15 に SEC へ届け出た 13F(機関投資家の四半期保有報告)で、2026 年 1〜3 月期のポートフォリオ変更が明らかになった。これは 2025 年末にウォーレン・バフェット氏(95 歳)が CEO を退任し、後継のグレッグ・アベル氏が運用を含めて指揮を執るようになってから初めて中身が開示された四半期にあたる。
要点は「成熟した高 PER 銘柄・決済株からの撤退」と「検索/AI と景気敏感株への寄せ」。13F は 3 月末時点のスナップショットで、その後の売買は反映されない点には留意したい。
数字・事実(13F・3 月末時点)
| 区分 | 銘柄 | 内容 |
|---|---|---|
| 全売却 | アマゾン(AMZN) | 保有を全数売却(ゼロに) |
| 全売却 | ビザ(V) / マスターカード(MA) | 決済 2 社とも全売却 |
| 全売却 | ドミノ・ピザ / ユナイテッドヘルス | いずれも保有解消 |
| 大幅増 | アルファベット(GOOGL) | A 種株を +36,403,656 株、C 種株を +3,585,215 株。前期比 3 倍超 |
| 新規 | デルタ航空 | 約 3,980 万株・約 26 億 5,000 万ドル(約 4,200 億円)・出資比率 6.1% |
出典: バークシャーが SEC に提出した 13F(2026 年 5 月 15 日開示)、および時事通信・Bloomberg・ロイター報道(2026 年 5 月 15〜16 日)。金額・株数は報告書ベース、株価変動は含まない。
なぜ今このニュースが出たのか
13F は法定の四半期開示で、毎期 45 日以内に提出される定例イベントだ。今回が注目されるのは中身ではなく主体の交代。バフェット氏が築いた集中・長期保有のスタイルから、アベル体制で何が変わるのかを市場が探る最初の手がかりになる。
市場の見方は二つに割れている。ひとつは「アマゾン・決済株の全売却=割高なグロースからの利益確定と規律」という解釈。もうひとつは「アルファベット 3 倍超=検索/クラウド/AI への明確な傾斜」で、バークシャーが珍しく“次の主役”に張ったという読み。航空株はコロナ禍で一度すべて手放した経緯があり、デルタ航空への新規出資はその方針からの転換点としても受け止められている。
影響範囲(観察ベース)
- 市場全体: 「ポスト・バフェット」の運用思想が試される局面。バークシャーの 13F は追随売買を誘発しやすく、対象銘柄の需給に短期で意識されやすい。
- セクター: 決済(ビザ・マスターカード)からの全面撤退は、ディフェンシブ・グロースとされてきた決済株の位置づけに一石。半面、検索/AI のアルファベットには「バリュー投資家からの評価」という文脈が付く。航空はバークシャー復帰で見直しの話題になりやすい。
- 個別銘柄: アマゾン・アルファベットは時価総額が巨大で 13F 単独の価格インパクトは限定的だが、ナラティブ(物語)面の影響は大きい。「バフェット系資金がアマゾンを降りた」という見出しは独り歩きしやすい。
いずれも「注目される/圧力がかかる」程度の観察であり、売買推奨ではない。
私見
個人的に一番ひっかかったのは、アマゾンと決済 2 社を同時に切った点だ。どれも「質の高いビジネス」の代表格で、バフェット流の評価軸では本来切りにくい。にもかかわらず全売却したのは、(a) 単純にバリュエーションが伸び切った、(b) 新体制が自分の色を出すための入れ替え、のどちらか(または両方)だろう。私は後者の比重が思ったより大きいのではと感じている ── 初回の 13F で“分かりやすい入れ替え”をやって見せること自体がメッセージになる。
ただし 13F は 3 月末スナップショットで、しかも保有理由は一切書かれない。「なぜ売ったか」は推測の域を出ない。次の四半期で揺り戻しがあるか、アルファベットをさらに積むかを見るまでは結論を急がない、というのが今の自分のスタンスだ。日本株中心の当サイト読者にとっては、直接の売買材料というより「世界最大級の投資主体が成熟グロースを降り、検索/AI と景気敏感株に寄せた」という地合いの観察として押さえておけば十分だと思う。
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本記事は速報情報の整理を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。記事内の数値・情報は速報時点のもので、最新情報は SEC の 13F 原本および各社公式発表をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。