新 NISA 完全ガイド(2026 年版)— 年間 360 万円・生涯 1,800 万円の使い方を整理
新 NISA は 2024 年 1 月にスタートした、年間 360 万円・生涯 1,800 万円までの投資益が無期限で非課税になる制度です。本記事では制度の全体像と、2026 年時点で押さえておきたい改正動向まで整理します。
新 NISA の基本設計
年間投資枠
新 NISA は 2 つの投資枠で構成されます。
| 投資枠 | 年間上限 | 主な対象商品 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 年 120 万円 | 金融庁が選定した長期・積立・分散投資向け投信・ETF |
| 成長投資枠 | 年 240 万円 | 個別株、ETF、投信(一部除外あり) |
| 合計 | 年 360 万円 | 両枠を同年併用可能 |
両枠は同じ年に同時併用でき、つみたて枠 120 万円 + 成長枠 240 万円 = 年 360 万円までが非課税枠の上限です(出典: 金融庁)。
生涯投資枠(非課税保有限度額)
| 項目 | 上限 |
|---|---|
| 生涯非課税保有限度額(総枠) | 1,800 万円 |
| うち成長投資枠で使える上限 | 1,200 万円 |
| つみたて投資枠だけで使える上限 | 1,800 万円(全枠) |
設計上非対称になっており、成長投資枠だけで 1,800 万円を使い切ることはできません。残りの 600 万円は、つみたて投資枠でしか埋められない構造です。
旧 NISA との違い
旧 NISA(一般 NISA / つみたて NISA)と比べた主要変更点:
| 項目 | 旧 NISA(〜2023) | 新 NISA(2024〜) |
|---|---|---|
| 非課税期間 | 5 年 / 20 年 | 無期限(恒久化) |
| 年間投資枠 | 一般 120 万 / つみたて 40 万 | 360 万(合計) |
| 生涯枠 | 600 万 / 800 万 | 1,800 万 |
| 売却枠の再利用 | 不可 | 翌年 1 月 1 日に復活 |
| 一般・つみたて併用 | 不可 | 可能(つみたて枠 + 成長枠) |
特に「売却した枠が翌年復活する」点は、ライフイベント(住宅購入・教育費)で一部売却しても生涯枠が無くならないため、長期運用の安心材料になっています。
売却枠の再利用ルール
現行ルールでは、商品を売却して非課税枠を空けても、再利用は翌年 1 月 1 日から可能になります。たとえば 2026 年に保有している 100 万円分を売却した場合、2027 年 1 月 1 日に 100 万円分の非課税枠が復活します。
ただし金融庁は 2026 年度税制改正要望として、売却した当年中に枠を復活させる改正を要望中です(出典: 金融庁「令和 8(2026)年度税制改正について」2025 年 12 月公表)。実現すれば、年内の柔軟な運用(同年内の売却→再投資、リバランス、銘柄入れ替え)が可能になり、運用の機動性が大きく上がります。
現時点では「要望」段階で、税制改正大綱・国会通過を経て実施が決まる流れです。最終的な実施可否は毎年 12 月公表の税制改正大綱で確定します。
対象者と利用条件
- 利用できるのは「利用する年の 1 月 1 日時点で 18 歳以上」の日本居住者
- 1 人 1 口座(金融機関は年単位で変更可)
- 制度自体は 恒久化(期限なし)
2026 年度税制改正要望には**つみたて投資枠の年齢要件撤廃(0〜17 歳にも開放)**も含まれていますが、こちらも要望段階です。
新 NISA でできないこと(落とし穴)
便利な制度ですが、通常の特定口座と異なる以下の制約は必ず押さえておく必要があります。
- 損益通算ができない: NISA 内の損失は、特定口座・一般口座の利益と相殺できません。値下がり中の銘柄を NISA で売って損切りしても、税金面のメリットはゼロ
- 損失の繰越控除ができない: 通常の口座なら 3 年間の繰越控除が使えますが、NISA 口座は対象外
- 配当金の受取方式に注意: 証券口座の設定で「株式数比例配分方式」を選ばないと、NISA 内の配当も課税されます。新規口座開設時に必ず確認
- 海外 ETF の現地源泉税は調整不可: 米国 ETF の配当は米国で 10% 源泉徴収されますが、NISA 口座は外国税額控除が使えないため取り戻せません(特定口座なら一部取り戻せる)
2026 年に押さえておきたい改正論点
金融庁が要望中の主な改正項目(2026 年 4 月時点で実施未定):
| 論点 | 状況 |
|---|---|
| 売却枠の当年中復活 | 金融庁要望段階、税制改正大綱待ち |
| つみたて投資枠の年齢要件撤廃 | 金融庁要望段階 |
| 対象商品の拡大 | 金融庁要望段階 |
これらは要望が通れば早ければ 2027 年 1 月から施行される可能性がありますが、現時点で「決まったこと」として動くのは時期尚早です。実施決定は毎年 12 月の税制改正大綱で確認できます。
関連リンク
- マーケットメモ 2026-04-29 — 直近の市場全体観
- 運営者情報 / 広告ポリシー
外部参照(公式・主要ソース):
- 金融庁 NISA 特設サイト: https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
- 金融庁「令和 8(2026)年度税制改正について」(2025 年 12 月): https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf
本記事は 2026 年 4 月時点の制度解説を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。制度は改正される可能性があり、最新情報は金融庁公式サイトでご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。