AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)Q1 2026 決算速報 — 売上 $10.3B(+38% YoY、予想 +4.2% 超過)/ データセンター +57% / Q2 ガイダンス +46% で時間外 +16%($355.26 → $414)

管理者

一行サマリー

AMD(NASDAQ)が 2026/5/5 引け後に Q1 2026 決算を発表。連結売上 $10.3B(YoY +38%、コンセンサス $9.84B を +4.2% 超過)、Non-GAAP 希薄化後 EPS $1.37(予想 $1.27、+7.9% ビート)で全方位ビート。データセンター +57% YoY が成長を牽引、Q2 ガイダンスは 約 $11.2B(YoY +46%、QoQ +9%) で大幅上振れ。5/1 HSBC 格下げで 5/4 に ▲5% で売り込まれた直後だったため、時間外株価は +16%($355.26 → 高値 $414) で急騰、HSBC のベア論を完全に払拭した格好。

決算ハイライト(GAAP / Non-GAAP)

GAAP

指標 Q1 2026 Q1 2025 YoY Q4 2025 QoQ
売上 $10,253M $7,438M +38% $10,270M Flat
売上総利益 $5,416M $3,736M +45% $5,577M ▲3%
売上総利益率 53% 50% +3pt 54% ▲1pt
営業費用 $3,940M $2,930M +34% $3,825M +3%
営業利益 $1,476M $806M +83% $1,752M ▲16%
営業利益率 14% 11% +3pt 17% ▲3pt
純利益 $1,383M $709M +95% $1,511M ▲8%
希薄化後 EPS $0.84 $0.44 +91% $0.92 ▲9%

Non-GAAP

指標 Q1 2026 Q1 2025 YoY Q4 2025 QoQ
売上 $10,253M $7,438M +38% $10,270M Flat
売上総利益 $5,685M $3,992M +42% $5,855M ▲3%
売上総利益率 55% 54% +1pt 57% ▲2pt
営業利益 $2,540M $1,779M +43% $2,854M ▲11%
営業利益率 25% 24% +1pt 28% ▲3pt
純利益 $2,265M $1,566M +45% $2,519M ▲10%
希薄化後 EPS $1.37 $0.96 +43% $1.53 ▲10%

コンセンサス比較

指標 コンセンサス 実績 ビート率
売上 $9.84B $10.25B +4.2%
Non-GAAP EPS $1.27 $1.37 +7.9%

売上・利益のドライバー分析

YoY +38%、Q4 比 Flat の連結売上を支えたのは データセンター +57% の爆発的伸長。CEO Lisa Su はリリースで「データセンターが今や売上・利益成長の主要ドライバー」と明言、推論(inferencing)+ エージェント型 AI が CPU + アクセラレータ双方で需要を押し上げている構図を強調。

3 つの構造的成長軸:

  1. AI インフラ需要の加速: 推論 + エージェント型 AI が CPU + アクセラレータ需要を拡大
  2. MI450 シリーズと Helios(ラックスケール AI): 主要顧客のフォーキャストが 初期想定を上回り、大規模デプロイメントのパイプラインが拡大
  3. EPYC 第 5 世代の浸透: AWS / Google Cloud / Microsoft Azure / Tencent で新インスタンス展開、Meta は 次期 6 世代 EPYC(Venice / Verano) の主要顧客に

QoQ で利益率が低下(GAAP 54% → 53%、Non-GAAP 57% → 55%)したのは、MI450 ramp + R&D 投資加速 による先行コスト計上の影響と推察される。

セグメント別パフォーマンス

セグメント Q1 2026 売上 YoY 主要要因
データセンター $5.8B +57% EPYC + Instinct GPU 出荷の継続 ramp
クライアント & ゲーミング $3.6B +23%
 └ クライアント $2.9B +26% Ryzen の強需要 + 市場シェア継続拡大
 └ ゲーミング $720M +11% Radeon 強需要、半カスタムは減少で一部相殺
エンベデッド $873M +6% 複数のエンドマーケットで需要強化
連結合計 $10,253M +38%

データセンター比率 = 56.6%。AI ワークロード集中による データセンター主導の構造転換が一段と進行。

株主還元 + 主要パートナーシップ

今回の PR では新規自社株買い枠・配当の発表は無し。代わりに 戦略的パートナーシップで成長機会を可視化:

  • Meta + AMD: 6GW Instinct GPU 展開計画、初期 1GW は MI450 ベース。Meta は 次期 6 世代 EPYC(Venice / Verano)の主要顧客
  • AWS / Google Cloud / Microsoft Azure / Tencent: 第 5 世代 EPYC クラウドインスタンス新規・拡張(Google Cloud H4D VMs、Azure HPC instances 等)
  • MLPerf: Instinct MI355X が複数カテゴリでリーダー級の競合性能
  • AMD + Tata Consultancy Services: Helios ラックスケール AI を共同開発、インドのソブリン AI 向け
  • AMD + Samsung: HBM4(MI455X 用) と次世代 DRAM ソリューション(6 世代 EPYC 用)で協業
  • NAVER Cloud + Upstage: 韓国ソブリン AI で Instinct GPU + EPYC CPU 展開
  • 新製品: Ryzen AI PRO 400 シリーズ、Ryzen 9950X3D2、Ryzen AI Embedded P100、Kintex UltraScale+ Gen 2

来期ガイダンス(Q2 2026)

  • 売上: 約 $11.2B ± $300M
  • YoY 中央値: +46%
  • QoQ 中央値: +9%
  • Non-GAAP 売上総利益率: 約 56%(Q1 の 55% から改善)

中央値 $11.2B はストリート予想を 明確に上振れ、Lisa Su が言及した「サーバー成長の意味のある加速」を数字で裏付け。

株価反応の解釈

備考
5/5 終値 $355.26 5/1 HSBC 格下げ + 5/4 ▲5% で売り込まれた直後の水準
時間外 高値 $414 +$58.74、+16.5% で急騰

5/5 マーケットメモ で触れた通り、AMD は 5/1 に HSBC が「Buy → Hold」格下げ(理由: 2026 年の半導体生産能力タイト化が AMD のアップサイドを限定する)→ 5/4 に約 ▲5% で売り込まれた状態で決算発表を迎えた。

しかし Q1 結果は HSBC のベア論を完全に払拭:

  1. データセンター +57% = 「半導体 capacity 制約論」を上回る需要
  2. Q2 ガイダンス +46% YoY = 上振れで「成長の加速」を会社が公言
  3. MI450 と Helios の主要顧客フォーキャストが初期想定を超過

→ 直前のショートポジション + ベア期待が踏み上げられ、+16% という大幅急騰に。これは 同週の PLTR 決算(▲3% AH)完全に対照的な反応で、「Buy the rumor, sell the news」記事 で論じた Whisper number と織り込み度合いの非対称性を示す典型例:

  • PLTR: Whisper > 公式コンセンサス → ビートでも売られる
  • AMD: Whisper < 公式コンセンサス(HSBC ベア論で期待値が下がっていた)→ ビートで急騰

リスクと注目点

  • QoQ 利益率の低下: GAAP 売上総利益率 54% → 53%、営業利益率 17% → 14%。MI450 ramp 期の先行コスト or プロダクトミックス要因。Q2 で 56% へ戻るガイダンスが出ているが実際の達成可否
  • 半導体 capacity 制約の現実度: HSBC の懸念点は 構造論として残る。AMD が「supply を scale する」と言ってもファウンドリ側(TSMC)の制約は外部要因
  • データセンター集中リスク: 56.6% がデータセンター比率に達し、AI capex が減速すれば直接ヒット(AI 設備投資バブル論 の 3 仮定を参照)
  • 時間外 +16% の翌日寄り付き: 過去のパターン上、引け後ギャップアップは 寄り付き後に一部利確売りが出やすい。5/6 ザラ場の動きが注目
  • 次回イベント: Q2 2026 決算(2026/8 頃)、AMD AI Day、Meta 6GW 展開の進捗

関連リンク + 出典


本記事は決算公表内容の整理を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。記事内の数値・情報は速報時点のもので、最新情報は会社公式 IR をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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